2012年 10月 19日
絵画と神話と女とウホ |
私は絵を見るのが好きなんですけど、いかにもな現代絵画 〜ピカソとかブラックとかカンディンスキーとか〜 何を描いてるのかわかんないのは苦手。なので、そういった難解な絵が生まれる以前の絵が好きです。何が描いてあるのかわかるし(笑)、小難しい解釈をしなくてもフツーにキレイだし。
キュビズム・抽象絵画誕生の前だと印象派(マネ・ドガ・セザンヌ・ルノワール・ゴッホ等)なんか割と人気がありますが、私は彼らをボロクソにコキおろしていた「正統派」というか当時のアカデミーの面々や、そのちょっと前の新古典派の方が好き。
アングルとか、ダヴィッドとか、特にブグロー(印象派にとっては不倶戴天の敵)が私の好みなんですが、彼らの絵画を見てると神話とか歴史上の出来事とかがテーマになっていることが多いので(っていうか、バルビゾン派が出てくる19世紀初頭まで絵画の題材はパトロンの肖像画か宗教画、歴史上の出来事しかない)、ここに描かれてる神様っぽい人は誰だろう?とか調べることが多々あるのです。
幸い今は手元に iPad があるので、疑問に思ったらすぐ調べることができて便利。ちなみに上の絵でさらわれてる紫色の衣のおねいさんは人間界で最も美しいとされたプシュケー。さらっているのは西風の神ゼピュロス。フルチンで女性をさらうのはいかがなものかと思いますが。
★この絵の解説で「さらっているのはエロス(キューピッド)」という説明も多いんですが、絵の題名が「プシュケーの誘拐」となっているので、エロスだと辻褄が合わないんですよね(この後同居するものの決して顔を見せない)...かと言ってプシュケーに蝶の羽根が生えているのも変なんだけど(本来はエロスとの結婚を許されてから生える)...というワケで、ここでは神話通りゼピュロスということにしときます。
...で。ブグローとか新古典派については書きたいこともたくさんあるんですが、今回それは一旦おいといて。絵に関連してギリシャ神話を調べていたら、神々の王たる全能のゼウスがこの世に女性を創造したときの逸話が出てきまして。
ゼウスは人間の愚かさを危惧し火を与えなかったのですが、プロメーテウスが天界の火を盗んで人間に与えてしまったのを知り激怒。生きたままプロメーテウスの肝臓をハゲタカに食わせる(で、夜中には傷が癒えて...以後繰り返し)というドSな折檻をするんですが、一方火を手に入れた人間にも災いをもたらすため、罰として女性というものを与えることにしたんだそうな。それが「パンドーラーの箱」で有名なパンドーラー(下の絵のおねいさん)。
ゼウスは鍛冶屋の神様ヘーパイストスに泥から女(パンドーラー)を作らせたんですが、その時の要求仕様というかスペックがひどいものでして。
この3つを与えられたのが「女」なんだそうです...
1番目は当時の価値観で女性が担うべきとされた仕事は多かったでしょうし、2は現代でも大いに同意できる要素なんだけど、3番目はどうなのよ?(笑)。当時のギリシャ女性は怒らなかったんでしょうか?この設定。
ちなみにゼウスが女性を作らせるまで、人間界には男性しかいなかった...というコトになるわけですが、その間さぞかしウホな世界が繰り広げられていたんでしょうかね。もっとも、当時のギリシャでは少年愛は男の嗜みとして肯定されるものではあった(スパルタでは特に)わけですが。
実は上から2番目の絵でプシュケーをさらっているゼピュロスもスパルタのイケメン王子・ヒュアキントスにメロメロになってしまうんですが、彼がアポローンとくっついたので嫉妬に怒り狂い、彼を殺しちゃうのでした。別にゼウスがわざわざ女を創造しなくても、男だけでしっかり揉め事は起きてるじゃんねぇ(笑)。
キュビズム・抽象絵画誕生の前だと印象派(マネ・ドガ・セザンヌ・ルノワール・ゴッホ等)なんか割と人気がありますが、私は彼らをボロクソにコキおろしていた「正統派」というか当時のアカデミーの面々や、そのちょっと前の新古典派の方が好き。
アングルとか、ダヴィッドとか、特にブグロー(印象派にとっては不倶戴天の敵)が私の好みなんですが、彼らの絵画を見てると神話とか歴史上の出来事とかがテーマになっていることが多いので(っていうか、バルビゾン派が出てくる19世紀初頭まで絵画の題材はパトロンの肖像画か宗教画、歴史上の出来事しかない)、ここに描かれてる神様っぽい人は誰だろう?とか調べることが多々あるのです。
幸い今は手元に iPad があるので、疑問に思ったらすぐ調べることができて便利。ちなみに上の絵でさらわれてる紫色の衣のおねいさんは人間界で最も美しいとされたプシュケー。さらっているのは西風の神ゼピュロス。フルチンで女性をさらうのはいかがなものかと思いますが。
★この絵の解説で「さらっているのはエロス(キューピッド)」という説明も多いんですが、絵の題名が「プシュケーの誘拐」となっているので、エロスだと辻褄が合わないんですよね(この後同居するものの決して顔を見せない)...かと言ってプシュケーに蝶の羽根が生えているのも変なんだけど(本来はエロスとの結婚を許されてから生える)...というワケで、ここでは神話通りゼピュロスということにしときます。
...で。ブグローとか新古典派については書きたいこともたくさんあるんですが、今回それは一旦おいといて。絵に関連してギリシャ神話を調べていたら、神々の王たる全能のゼウスがこの世に女性を創造したときの逸話が出てきまして。
ゼウスは人間の愚かさを危惧し火を与えなかったのですが、プロメーテウスが天界の火を盗んで人間に与えてしまったのを知り激怒。生きたままプロメーテウスの肝臓をハゲタカに食わせる(で、夜中には傷が癒えて...以後繰り返し)というドSな折檻をするんですが、一方火を手に入れた人間にも災いをもたらすため、罰として女性というものを与えることにしたんだそうな。それが「パンドーラーの箱」で有名なパンドーラー(下の絵のおねいさん)。
ゼウスは鍛冶屋の神様ヘーパイストスに泥から女(パンドーラー)を作らせたんですが、その時の要求仕様というかスペックがひどいものでして。
この3つを与えられたのが「女」なんだそうです...
1番目は当時の価値観で女性が担うべきとされた仕事は多かったでしょうし、2は現代でも大いに同意できる要素なんだけど、3番目はどうなのよ?(笑)。当時のギリシャ女性は怒らなかったんでしょうか?この設定。
ちなみにゼウスが女性を作らせるまで、人間界には男性しかいなかった...というコトになるわけですが、その間さぞかしウホな世界が繰り広げられていたんでしょうかね。もっとも、当時のギリシャでは少年愛は男の嗜みとして肯定されるものではあった(スパルタでは特に)わけですが。
実は上から2番目の絵でプシュケーをさらっているゼピュロスもスパルタのイケメン王子・ヒュアキントスにメロメロになってしまうんですが、彼がアポローンとくっついたので嫉妬に怒り狂い、彼を殺しちゃうのでした。別にゼウスがわざわざ女を創造しなくても、男だけでしっかり揉め事は起きてるじゃんねぇ(笑)。
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by KaoruTheDrunker
| 2012-10-19 22:14
| 歴史・文化・美術